夏コミ新刊の内容ご案内、続いては「頭文字う」。
お店の歴史こそ違えど、共に名店として知られる東京のビアバー二店。偶然にもどちらも日本語で「う」の頭文字を持つ二店が、どちらも自社で醸造開始の準備をされているとのことで、両店のそれぞれの醸造に掛ける思いから、つくりたいビールのスタイル、そして現在の日本のクラフトビールを取り巻く状況を踏まえて、自分たちはどうありたいか、まで、突っ込んだお話しをお聞きして来ました。
一つ目は、下北沢の「うしとら」です。
クラフトビールという小洒落た呼び方が定着する以前、「うしとら」「蔵くら」の二店があった下北沢は、ビール好きなみなさんにとっては、街の名前を聞くだけでパイントグラスが頭に浮かぶような「地ビールタウン」と言っても良い存在ではなかったかと思います。
「蔵くら」が神田へ移転した後は、ビール業界では、うしとらといえば下北沢、「シモキタ」といえば「うしとら」という具合に、東京のビール界を西から支える存在であり続けて今日に至っています。
その「うしとら」が、自社で醸造を開始する、と言えば、これは是非とも話を聞かなくては、ということで、お店まで言って話を伺ってきました。
ただ、新潟ビアフェスの直後ということもあり、オーナーのお二人、寺崎さんと吉田さんは、ともにお忙しいとのことで、お二人の意を汲み、うしとらの名物スタッフでもある中野貴仁氏に、オーナー二人に代わってインタビューを受けていただきました。
そして、「う」で始まる東京のビアバーの二店目は、代々木のWatering Holeです。
先の6月でオープン一周年と、その歴史こそ浅いものの、ビールの世界では Beer Evangelist として名高い、いわばカリスマ、藤浦一理さんが、奥様である池袋vivo!の元店長、筒井美千子さんと一緒に立ち上げ、スタッフとして、これも東京ビール飲食業界では名高い成田希美さんを迎え入れたとなれば、名店となることを義務付けられているようなお店です。
こちらは、当初、筒井さんがインタビューに応じていただけるとのことでしたが、実際は藤浦さんご本人も同席していただけるという、思ってもみない展開に逸る心を抑えながらのインタビューとなりました。
実は藤浦さんとは初めてお話しをさせて頂きましたが、書かれたものはずっと以前から拝読しており、そこで舞い上がってはインタビューにならない、と、自分を冷静に保つ努力が必要でした。
うしとらとWatering Hole。片や「メーカー」、片や「ブルーパブ」と、目指す形態こそ違うものの、どちらもビールを知り尽くした人々がつくる側にまわったとき、どんなビールができてくるのか。大変に楽しみです。